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・週ごとにめあてをもったり反省することは、自分の欠点を直そうとする意識化につながっている。また、技術改善のための工夫にも役立っている。
・自分のしてきたことの足跡として、これからのことに有意義である。めあてをもっての練習は、自分への励みとなっている。また、アドバイスは自分の練習にとって励みでもあり、改善の足がかりとなっている。
ウ、今後の課題
・目標をもってもすぐ忘れてしまう生徒がいるので、いかにして意識の持続化を図るか。
・がんばってはいるが、欠点をどのようにして補うか自分で発見できない生徒へのアドバイスの仕方とその工夫のさせ方。(全部員に対して)
・練習が分散していったときの、小クループにおけるリーダーの育成。
・安全面を考えての設備や用具の補充。
・さらに、全員が一同に活動できる練習内容と練習方法の工夫・研究。
・部活動は自己の選択で行っている活動なので、将来における自己教育力が身につくよう、自分の問題として自主的に参加し、努力しようとする意識化の手だての追求。

 

?. 女子バレーボール部の取り組みについて

? テーマに迫るために
3年生が7人、2年生が7人、1年生が21人、計35人という本校においては比較的少人数での活動である。したがって他の部活と比べると、「1年生であっても、技術・体力の定着状態によっては、2・3年生と同じ練習ができる。」また、「部員個々の運動量を十分に確保することができる。」というようなメリットがある。反面、お互いに技術的な面や精神的な面を磨き合うという点に関して言えば、どうしても希薄になってしまう部分が存在する。したがって、練習方法を十分に考え、より質の高い練習になる工夫を重ねていかなくては、主体的で生き生きとした活動にはならないのではないかと考えている。
なお、練習に対する個々の意欲の差をうめるためにも、チームとしての課題解決に重点をおくのはもちろんであるが、個々の部員がそれぞれの課題をはっきりともち練習に参加することに主眼をおいている。
? 具体的活動内容
ア、ファイル学習部員全員がファイル「個人学習ノート」をもち、チーム全体のフォーメーションや一人一人の各ポジションにおける動きなどを随時記入し、課題を解決していく上での参考書的な使い方をしている。練習の途中で疑問な点が出てきた場合には、活動を中断し、ファイルを利用しながら解決していくように配慮している。それによって、チームの弱点、または個々の力不足な点がはっきりとし、再び同じような壁に遭遇した場合には、自分たちの力によって解決に向かうことができるようである。この場合重要なことは、指示される内容が科学的根拠に基づいたものであればあるほど、このファイルに対する信頼度も高くなっていくということである。
1年生にとっても、先輩と同じようにこのファイルを使用して練習を進めていくことにより、例えばボール拾いをしているような場面でも、今、先輩たちが、今、チームが何を目的として練習をし、何を意図しながらプレーをしているのかがよくわかるようになり、練習に対しての集中度も高まっていくようである。もちろん、1年生がコートの中に入ってゲームに参加する場面も多く、そうした場合でも、不安がある程度は解消されるようだし、プレー上のミスがあったときでも、先輩からの指示を容易に受け入れることができるようである。
ゲームが行われた場合には、その反省となる材料をお互いに研究し合い、指導者からの指示も加えて、次からの練習に向けての新しいめあてをファイルに書き込ませていくことによって、チーム全体の向上にもつなげていくことができると考えている。最後の大会を終えた3年生は、受験期に入るまでは、それぞれがファイルによって学ん

 

 

 

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